選挙の名前

選挙の時に良く見るけれど、なぜ名前のひらがな表記が必要なのでしょうか?
選挙では、有権者に名前を書いてもらいやすくするために名前のひらがな表記も一つの戦略なのです。
目次
ひらがな表記
政治家は何故かひらがな好きな方が多いです。
・・・と言っても、政治家を目指しているから、名前をひらがなに変えているわけではありません。漢字の名前をひらがなで表記しているだけなのです
それは、何故でしょうか?
ずばり!覚えやすいからです。
さらには、投票の際に書きやすいという点もあるようです。
覚えてもらいやすい上に、投票用紙に書きやすいので、名前をひらがな表記にする政治家が多いようです。
市議会議員選挙の投票所にて
あなたは市議会議員を目指しているくらいですから、選挙の時に投票所に行ったことがあるはずです。
投票所に行くと、投票用紙を記入する場所があります。
そこには全候補者の名前が記載されています。
有権者のほとんどは投票に来た際、ここで漢字などを確認するとは限りません。
覚えている名前をそのまま書こうとする方もいるでしょうし、うろ覚えのまま書いてしまう人もいるかもしれません。
名前の漢字が難しいものであったり、紛らわしい漢字の場合は、間違えの基になってしまいます。
選挙管理委員会の対応
現在では、ほとんどの選挙管理委員会で多少の誤字程度で無効票として扱わなくなっています。これは、有権者の意図を極力汲み取ろうとしているからです。
わざわざ投票所に足を運んでいるにもかかわらず、投じた票が無効になってしまってはもったいないですからね。
それでも貴重な一票を失ってしまわないためにも、名前をわかりやすいひらがなにしておく方が無難なのかもしれません。
ただ、名前を全部ひらがなにした方がいいというわけではありません。
デザインやバランスを考えないと、漢字そのものが票につながる可能性もあるからです。
苗字が同じ場合の対応
選挙の際には、同じ苗字の方が複数立候補する場合があります。
例えば「田中A郎」と「田中B夫」さんが立候補した場合です。
この時に有権者が「田中」とだけ書いて投票するとこの票がどうなるかというと、得票数に応じて案分されます。
A郎さんが千票、B夫さんが千五百票だったとすると1000:1500の割合で振り分けられます。
選挙の開票結果に小数点以下の数字がある場合は、こういった操作が行われているからなのです。
投票した人はこの時にA郎さんに入れるつもりだったのに、苗字だけしか書かれていなかったので、結果、B夫さんに票が行ってしまうのです。
この時に有権者の人がしっかりと名前を覚えていなかったから苗字しか書かなかったとすれば、名前をしっかりと覚えてもらう必要性がわかってもらえると思います。
この僅か一票以下の結果で「落選」という結果を招くかもしれませんので・・・
通称の使用
名前については本名以外の名前・・・いわゆる「通称」が認められるケースもあります。
アントニオ猪木氏の本名は「猪木寛至」です。本名の「猪木寛至」よりも「アントニオ猪木」の方が世間では認知度が高いです。
認知度が高い名前(通称)で立候補すれば、その分当選しやすいからです。
では、誰でも通商を使うことが出来るのかというと、そうではありません。
通称は日常的に使用しているということをと証明し、選挙管理委員会が社会的に認知されていると判断しないと使用できないのです。
芸名であったり、有名な著書のペンネームだったりしないと、まず認められません。
選挙用に名前を自由に使うことだ出来てしまうと、有名人の名前を勝手に名乗って当選しやすくしようとしたり、 対立候補を落選させるために同じ名前を名乗ったりといった不正の温床になってしまうためです。
選挙が混乱してしまっては市民のためにはならないですからね。