18歳選挙権について
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18歳選挙権
2015年に公職選挙法が改正され、投票できる年齢が「20歳」から「18歳」に引き下げられました。
これにより、当時の18・19歳の約240万人が新たに有権者となりました。
対象としては、国政選挙、自治体の首長や議員の選挙、農業委員会委員の選挙などです。
文部科学省と総務省は高校生向けに副教材を作成し、高校生の政治活動への関与を一部認める通知を出しました。
成功した18歳選挙権!?
選挙権の引き下げについての賛否両論はあると思いますが、18歳への選挙権の引き下げについては、成功したものと考えます。
大きな問題としては、18歳から関係が深い大学の学費の問題です。
多くの大学生が銀行の学資ローンを利用し、日本学生支援機構への返済をしなければならない奨学金を利用しているためです。
学資ローンや奨学金を利用して大学に通うことで、卒業後に返済していく十分な収入を得ることが難しく、給与を差し押さえられるといった事例も発生しています。
また、低所得層にとっては学資ローンや奨学金を返済する余力もないため、そもそも大学への進学を諦めてしまう現実もあり、教育機会の公平性が揺らいでしまっています。
18歳選挙権がもたらすもの
選挙権が18歳に引き下げられたことにより、給付型奨学金や教育費無償化などの政策が、各政党から掲げられるようになりました。
政府与党は、「給付型奨学金の創設」を参議院選挙の公約に掲げていましたし、野党共闘勢力も同じように「周布型奨学金の創設」を訴えていました。
改革保守系野党の日本維新の会は、高等教育までの教育費無償化を政策に掲げていました。
このように各政党から多くの教育学費に関する政策が掲げられたことで、2017年の通常国会が始まると、憲法改正を進めたい安倍総理は日本維新の会の教育費無償化を憲法典に明記することを承諾し、自民党も憲法改正による教育費無償化に前向きな姿勢になりました。
経済政策の面からみても、教育費問題を解決することは未来への投資ともいえる政策の一つなので、どんどん進めてもらいたいものですが、この議論が18歳選挙権が施行される前にはほとんど議論されてこなかったものなので、選挙権の年齢の引き下げは本当に効果てきめんだといえます。